形氣之始
原文 (原本の文字数を反映・但し原本は縦書き)
乾鑿度云天形出乎乾有太易太初太始太
素夫太易者未見氣也太初者氣之始也太
始者形之始也太素者質之始也形氣已具而痾
痾者瘵瘵者病病由是萌生焉人生從乎太易病
從乎太素〇参同契註曰形氣未具曰鴻濛具而
未離曰混淪易曰易有大極是生兩儀易猶鴻濛
也大極猶混淪也乾坤者太極之變也合之為太
極分之為乾坤故合乾坤而言之謂之混淪分乾
坤而言之謂之天地列子曰太初
氣之始也太始形之始也亦類此
断句 (原文に句読点を挿入・改行は任意)
乾鑿度云、天形出乎乾、有太易太初太始太素。
夫太易者、未見氣也。太初者、氣之始也。
太始者、形之始也。太素者、質之始也。
形氣已具而痾、痾者瘵、瘵者病、病由是萌生焉。
人生從乎太易、病從乎太素。
参同契註曰、形氣未具曰鴻濛、具而未離曰混淪、
易曰、易有大極、是生兩儀、易猶鴻濛也。
大極猶混淪也。乾坤者、太極之變也。
合之為太極、分之為乾坤。故合乾坤而言之、謂之混淪。
分乾坤而言之、謂之天地。
列子曰、太初氣之始也。太始形之始也、亦類此。
現代語訳
乾鑿度が説くには、
「天の形態は、乾から出でて、太易・太初・太始・太素とがある。
太易は、まだ氣が現われていず、太初は、氣の始まりである。
太始は、形態の始まりである。太素は、実体の始まりである。
形態と氣とが共に具わって痾となり、痾が瘵に、瘵が病に、
病はこのようにして萌すのである。
人の生は太易から、病は太素から生じる。」
参同契の註に説くには、
「形態と氣とがまだ共に具わらない状態を鴻濛と言い、
具わってもまだ分離しない状態を混淪と言う。
易には「易には太極があり、これが両儀を生じる。」と説く。
易はちょうど鴻濛であり、太極はちょうど混淪である。
乾坤は、太極の移り変わりである。
合わされば太極となり、分かれれば乾坤となる。
であるから、乾と坤とが合わさった状態を、混淪と言い、
乾と坤とが分かれた状態を、天地と言う。
列子に「太初は氣の始めである。太始は形態の始めである。」
と説くのは、またこの類である。